美味しいお酒ができるまで


1.精米
お酒の製造に用いられるお米(酒造用米)は、通常我々が主 食としているお米と比較し、粒が大きく中心部に白い不透明な 部分が多く見られます(大粒心白米)。 玄米の表層部分に は、脂肪、タンパク質、灰分などが多く含まれており、発酵を コントロールするのが困難になるばかりか、雑味(旨み)が多 くなる事が知られています。 その為表層部分を25〜30%以 上削った白米(精米歩合75〜70%)にして使用します。 削ら れた部分が糠になります。通常我々が主食としているお米 は、7〜8%削ったものです。



2.洗米
白米の表層部には糠が付着しており、これを洗い流す為に洗 米を行ないます。 同時に一部白米の表層部も削りますの で、厳密に言えば精米歩合70%の白米でも、洗米の後に精 米歩合70%以下になっている事が予測されます。 当社の場 合、袋に入れて桶の中で手洗いしております。 米の種類、精 白度、水温等が吸水率(白米が水分を吸収する割合)に与え る影響は大きく、前段階で少量試験し、時間をはかりながら 洗米時間を合図するのが通常です。



3.浸漬
洗米後、白米をタンク或いは半切り桶に移し米の中心部まで 水を浸透させます。 精米歩合、米の種類等により水の吸水 率が異なる為注意を要します。 浸漬時間が短いと蒸しが硬 くなり、長すぎるとべとべとした粥状になってしまい麹造り等で 苦労する事になります。浸漬後は、一晩水切りをして余分な 水分を除去します。  


4.蒸し
一晩水切りをした米を、大型の甑を用いて一時間程度蒸気 加熱します。 蒸すことにより米に含まれる澱粉がα化され、 麹菌が産生する糖化酵素の作用を受けやすくなります。 ま た、高温蒸気により殺菌が行なわれるメリットもあります。 い い蒸しが出来れば自然といい麹が出来るし、いい酒出来ま す。



5.製麹
製麹とは米麹を作る作業の事で、麹菌が蒸米中に含まれる 澱粉、タンパク質を自らが産生する酵素の働きでそれぞれブ ドウ糖、アミノ酸に変化させます。 麹菌はカビの一種で、増 殖は胞子を介して行なわれます。 適度な温度・湿度・エネル ギー源をもとに発芽後、菌糸を伸ばして蒸米の中に食い込ん でいきます。(破精込むといいます)製麹は、温度・湿度がコン トロールされた雑菌の進入が少ない麹室(むろ)内で行なわ れます。



6.酒母
酒母とは酵母を純粋大量培養したものです。 酒母は、水、 麹、乳酸(添加する場合と自然に生やすタイプあり)、酵母、 蒸米より造られます。 酵母は、自然界にも広く住み着く微生 物で、用途に合わせてパン酵母、ビール酵母、ワイン酵母な どそれぞれに適した酵母が長い歴史の中で分離されました。 酵母の主な役割は、低酸素下で麹菌により産生されたグルコ ースを分解してアルコールを造る事(アルコール発酵)が主な 役割になります。 十分な酸素がある場合はアルコールを二 酸化炭素と水にまで分解します。 乳酸の添加は雑菌の繁殖 を抑える為に行ないます。



7.醪(もろみ)
もろみは、前述した酒母に水、米麹、蒸米を3回に分けて仕込 みます。 三段仕込み(初添え、中添え、留添え)と呼ばれ、 酒母中の乳酸濃度を徐々に薄めながら、雑菌の繁殖を抑え つつ酵母を増殖させ、アルコール発酵を促進させる方法で す。タンク内では、麹菌による澱粉の糖化と酵母による発酵 が同時に進行しする並行複発酵が行なわれています。甘味 を付けるために四段と呼ばれる蒸し米を酵素を用いて糖化さ せ仕込みタンクに加える方法もあります。 もろみ期間中は温 度管理を徹底し、日本酒度、アルコール度数、酸度を頻繁に 測りながら目標の日本酒に仕上げていく根気と技術のいる作 業です。


8.上槽
もろみを搾って酒と粕に分工程を上槽と言います。 タイミン グを間違えるとせっかく造ったお酒が台無しになってしまう事 もあります。 通常はアコーデオンを大きくしたよう機械で搾り ますが、下の写真は袋吊と言って圧力をかけない滴り落ちる 酒を集めている光景です。


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